大学時代にESS、商業英語、国際関係論を学び、世界を股にかけて仕事したいとの思いから産業機械の総合商社に入社。 約40年間に亘り、韓国・台湾・マレーシア・南アフリカ向け輸出、アメリカ・欧州・韓国からの輸入、3国間貿易、化学メーカー、機械プラントメーカー向け法人営業に従事し、海外取引のリスク対策を学び、経験・実績を積む。
アメリカのビジネスでは、輸入した水処理処理場に使用される汚泥搬送機器100台に対して数億円の品質不良のリコール問題が発生。クライアントから損害賠償の請求や今後の取引停止の可能性を示唆され、解決の見通しが立たず、精神的にどん底の日々を過ごす。しかし、周りの方々からの支援を受けて、精神的に立ち直る。約3年間かけて関係者と折衝を重ね、リコール費用を負わずに解決し、そのノウハウを習得する 。その後、新たなヨーロッパ製輸入商品(撹拌機、破砕機)の成約に繋げる。これが業界の革新的商品となり、クライアントから感謝の言葉を頂く。
台湾では、売込んだ商品の販売が低迷ししばらく悩む時期があった。そこで改めて市場調査を徹底に行い、台北市地下鉄工事に向けた大規模な投資情報を入手する。これまで取引してきた仕入先の中から、その工事に使用される掘削効率の高い日本製装置を製造しているメーカーを探し、売り込むことに成功。総計約50基を輸出販売することができ、その掘削装置が台湾の建設業界で約80%のシェアを獲得するまでに至った。
三国間貿易では、日本の機械プラントメーカー経由中央アジアにあるトルクメニスタンの肥料プラント建設向けに数億円のイタリア製の窒素発生設備を納入したが、試運転時にトラブルが発生。クライアントからプラントの引き渡しをまじかに控え、早急に対応するよう連絡をもらう。イタリアメーカーへ何度も深夜に亘り交渉するが、夏季休暇の為、対応してもらえず。クライアントから仕入先として無責任との叱責を受け、板挟みになり精神的に苦しむ。しかし、最終的に不具合機器を現地で修復することを決断し、プラントの引き渡しに間に合わせる。結果、引き渡し遅延のペナルティーを回避し、顧客の期待に応える。
このように海外取引をしてきた貴重な経験を何とか活かすことができないか考えてきた。そこで、前職で約40年間仕入先としてお世話になった中小企業事業者へ海外事業の支援をすることが自らの使命と思い、中小企業診断士の資格を取得し、コンサルタントとして独立する。