輸出ビジネスを具体化する5W2Hとは?

市場調査からスタート

輸出ビジネスに初めて取り組む企業から、よくあるのが海外販路開拓は何から着手したら良いかという質問です。海外販路を開拓するためには、まず市場調査に関連した事項から進んてゆくことが必要です。「なぜ海外か:Why」、「どの国で:Where」、「誰に:Who」、「何を:What」、「いくらで:How much」、「いつまで:When」、「どのチャネルを通じて販売していくか:How」について、市場調査を通じて具体なビジネスのかたちに落とし込みます。

5W2Hとは

なぜ海外か:Why

海外取引を始める目的は一体何でしょうか? その目的は、売上拡大、国内需要の低迷、コストダウンなどが考えられます。しかし、その目的が、単に「日本で上手くいかないから」という発想ですと成功は難しいでしょう。また、十分な準備をせずに海外取引へ投資をすることも避けなければなりません。海外取引を始める上で、言葉や商習慣の違い、遠い距離などから発生するリスクを負ってでも勝負にでるという強い心構えを持ち、リスクに対して十分に準備することが重要です。

どの国で:Where、誰に:Who

対象国の人口、政治、経済規模、産業、文化等を考慮して決めることができます。また、「〇〇国にビジネスパートナーがいる」とか「△△国で売れると聞いた」というきっかけで対象国を決めることもあります。国を絞り込んだら、自社の商品・サービス が実際に対象国で受け入れられるか、どのようなニーズがあるのかを想定して調査します。 情報収集の結果、当初想定していた国・地域の軌道修正を迫られることもあり得ますので、複数の国を候補として選んでおいた方がよいでしょう。更に、その国の対象者(ターゲット)を決めていきます。

何を:What

国が異なれば、法律や制度が異なり、日本と同じビジネスが展開できるとは限りません。日本で販売していても対象国となる現地で輸入できない場合もあります。例えば、ベトナムでは輸入規制により、製造から一定の年数を経過した中古機械を輸入することができません。それを知らずに、ある中古機械卸売業者は、ベトナムに中古機械を輸出しましたが、ベトナム側の輸入規制に抵触したため、税関で通関することができず、今後、自社の販売戦略を大幅に見直す必要が出てきました。逆に輸入国側で規制されていない品目が日本で輸出規制があるケースもありえます。輸出の計画段階で、取扱商品の輸出・輸入規制をしっかりと確認することが必要です。一般的に食品、医薬品等については、規制について十分な事前調査が必要です。また、自社製品が現地の市場ニーズに合っているか、自社製品の適合性を確認することが必要です。自社の強みが現地の競合製品との差別化ポイントになるかなど、自社製品が現地の市場で競争力を持っているかどうかも確認する必要があります。

いくらで:How much

当然ながら、海外へ輸出する場合には、国内取引と違い、通関費用、運賃、保険等が掛かりますので、これらの費用を加算し価格設定をしてゆかねばなりません。いくら信頼性の高い日本製と言っても、現地との価格差が大きければ売れません。現地の市場にとって、価格競争力が重要です。競合先の価格レベルを把握し、販売可能な適正価格はどの辺にあるのかを考えてゆかねばなりません。

いつまで:When

スケジューリングも重要です。海外取引のゴールを定めて具体的な行動に落とし込むわけですが、段階的に、目標を定めて、いつまでに達成してゆくのかを決めてゆきます。期限を伴わない計画では絵に描いた餅になりかねません。短期、長期に分けて考えるのもよいでしょう。

どのようなチャネルで:How

販路開拓をしてゆくためにはどのようなチャネルで販売してゆくのが最適であるかを検討せねばなりません。マーケティングでは4P(Product:商品、Price:価格、Place:場所、Promotion:販売促進)が必須と言われますが、輸出ビジネスではPlace:場所が一番重要です。例えば、日本の商社経由で輸出してもらう間接輸出にするのか、現地のパートナーを見つけて販売するのか、現地の顧客に直接販売するのかという選択です。

まとめ

輸出ビジネスを始めるには市場調査が必要です。なぜ海外市場へ、どの国へ、誰に、何を、いくら、いつまでに、どういう方法でを想定し、可能性を見極めます。海外取引で成功する為には、十分な準備が必要です。次回では販売チャネルについて説明していきたいと思います。

【参考文献】
日本政策金融公庫 海外展開支援お役立ち情報 海外展開支援|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)
東京商工会議所  海外ビジネスガイドブック 改正 海外ビジネス相談HPガイドブックPDF(ガイドブック).pdf

 

伊皆正俊

伊皆正俊

海外事業加速パートナー

機械の総合商社に約40年間勤務し、海外、国内の法人営業を経験し、海外では韓国、台湾、マレーシア、アメリカ、ドイツ、スウェーデン、イタリアとの取引、イタリア製品をアジア諸国へ販売する3国間取引に従事し、国内外で約 300社との取引実績を有する。アメリカ製品を日本で販売した際に発生したクレームによって数億円と想定されるリコール費用の負担を解決した経験を持つ。長年に亘る海外取引の経験を活かして中小企業事業者向けに海外ビジネスを支援活動中。

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